オールド・トラッフォードでのスリリングな一戦は、ブルーノ・フェルナンデスとコビー・メイヌーのスーパーゴールで一時は逆転するも、終盤の失点で2-2引き分けに終わりました。
評価
スタメン
GK:アンドレ・オナナ 7.5:この日も安定していた
DF:ディオゴ・ダロト 7.4:攻守に躍動。味方を鼓舞した
DF:ハリー・マグワイア 7.2:不用意な持ち出しでピンチを作った
DF:ウィリー・カンブワラ 6.4:ヌニェスにも負けないフィジカルの強さを示した
DF:ワン=ビサカ 6.7:守備で貢献も、終盤に必要のないタックルでPKを献上した
MF:カゼミロ 7.2:出足が遅く一発を狙ってタックルを交わされる場面も。逆転弾の起点となった
MF:コビー・メイヌー 7.8:失点シーンではマークを外すも、名誉挽回のスーパーゴールを決めた
MF:ブルーノ・フェルナンデス 7.4:不調。それでも抜け目ないロングシュートを決めた
FW:アレハンドロ・ガルナチョ 6.6:試合開始直後のゴールは惜しくもオフサイドだった
FW:ラスムス・ホイルンド 6.6:守備で貢献もチャンスが転がってこず。連携もちぐはぐだった
FW:アントニー 6.5:存在感を示せなかった。負傷交代した
ベンチ
66’:アントニー 6.9:情熱をもってプレイしたが、攻撃面で結果を残せなかった
80’:ソフィアン・アムラバト 6.3:試合を終わらせるため投入されたが、ゲームに入れず
85’:メイソン・マウント 6.6:脅威になれず。力を示すには時間が短すぎた
Sofascore参照
感想
試合展開
序盤のアレハンドロ・ガルナチョのシュートはオフサイドの判定で取り消されたが、その後最初の45分間の主導権を握ったのはリヴァプールでした。23分にCKからルイス・ディアスがゴールを決めると前半だけで15本ものシュートを放ちました。一方のユナイテッド、いつも通り最終ラインからのビルドアップはハーフラインを越えることなく、ロングボールも回収されてしまい前半のシュートは壊滅的な0本でした。後半に入るとブルーノ・フェルナンデスがリヴァプールDFクアンザのパスを狡猾にカットし約40mのロングシュートをゴールに沈めました。67分にはコビー・メイヌーが振り向きざまのシュートをゴール右隅に突き刺し逆転しました。80分、守備固めでソフィアン・アムラバトが投入されたが、その2分後にワン・ビサカがPA内で無用なタックルを放ちPKを献上。サラーが冷静に決めて同点となり、そのまま試合は終了しました。
課題
課題はいつも通りビルドアップとシュートを打たれすぎな守備です。ビルドアップについては、「センターバック(以下CB)が両サイドに広がりそのどちらかにオナナがボールを預ける」までしか形がないんじゃないかと思いたくなる精度の低さです。結局オナナにボールが戻ってロングボールを蹴り、そのこぼれ球を回収されて相手の攻撃が始まるという形が殆どでした。また合計28本ものシュートを打たれた守備においては、衰えかコンディション不良かわかりませんが、カゼミロのフィルターとしての働きに陰りが見えていることがもろに表れているように感じます。攻撃に関しても形らしいものはほぼなく、ゴールはブルーノとメイヌーの個人技によるものでした。つまり攻守において個々人のデキに比重が偏っており、組織として戦えてないということです。テン・ハグの采配の評価は難しいところです。80分の段階で逃げ切りを考え、ガルナチョを下げてアムラバトを投入した意図はわかりますが、結果として裏目に出てしまいました。久しぶりの出場となったアムラバトは試合に入り込めず、投入直後に失点したことで(失点の責任はありませんが)投入された意味がなくなってしまいました。ベンチにはエリクセン、アマドと他に切れるカードも残っていただけに消化不良の感も残ります。
収穫
一番はカンブワラに戦力として計算が立つことが分かったことです。やや危なっかしい場面もありましたがアスリート能力は間違いなさそうで、フィジカルエリートのヌニェスとぶつかり合って勝つほどのパワーとスピードを持っています。ビルドアップ能力はまだ何とも言えませんが、いきなりのビッグゲームで堂々としたパフォーマンスでした。故障者が続出している最終ラインでですがこれをチャンスとしてスタメンを勝ち取って欲しいです。二つ目は選手個々人の能力はやはり高いということです。これだけ攻守において組織的なプレイがあまり見られないのにもかかわらず、リヴァプール相手にドローゲームを演じられるのは個の質が高いからではないかと思います。だからこそテン・ハグには、理想とするタイプの選手が足りないとしても、チームとして戦えるように鍛え上げてほしいのですが。現実は難しいですね。最後にゴール期待値が0.70対3.67にもかかわらず2-2のドローで終えたことは収穫?ですかね。
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